30年つづく個人雑誌の最新バージョン
『Gyahun(ぎゃふん)』の原点は、フリーランスのライター・編集者の米田政行が中学生時代に制作した肉筆回覧誌にあります。紙にペンで文字やイラストを書き、色鉛筆で誌面に彩色して仕上げました。
やがて、ワープロで文字をプリントアウトし台紙に貼って、コピーして製本するカタチに進化。さらにワープロの性能が向上すると、レイアウトもワープロで行なうようになりました。
大学を卒業し、プロのライターとして修行を始めると、本づくりにMacを導入。本格的に印刷・製本をほどこすZINE(リトルマガジン)『ぎゃふん』が誕生しました。同時に『ぎゃふん』をつくるプライベートブランドに「ぎゃふん工房」と命名。
その後も、プロのライター・編集者として身につけたノウハウをZINE制作に活かし、逆に『ぎゃふん』づくりで培った技術をプロとしての仕事にフィードバックしていきました。
創刊号の発行から約20年後。フリーランスとして独立した際に屋号を「Gyahun工房」としました。『ぎゃふん』は『Gyahun』と改名。
現在の『Gyahun』は、30年以上にわたりつくりつづけてきた個人雑誌の最新バージョンといえます。
年齢とともに趣味や嗜好が変わり、それにしたがって『Gyahun(ぎゃふん)』の見た目や内容も少しずつ変化していきました。
でも、ひとつだけ変わらないものがあります。それは「自分が楽しいと思う本をつくる」という編集方針。
この楽しさをぜひみなさんにおすそわけしたい。そんな想いから『Gyahun(ぎゃふん)』を無料でご提供しています。
少しでもご興味をお持ちになりましたら、ぜひご送付をお申し込みください。
2022年3月
米田政行(Gyahun工房)
『Gyahun(ぎゃふん)』が無料の理由
『Gyahun(ぎゃふん)』をなぜ無料でご提供するのか? その理由をあらためてご説明しましょう。
もともとは年賀状。だから無料
『Gyahun(ぎゃふん)』は、毎年1月1日に友人・知人へ送る“年賀状”としてつくりはじめました。
年賀状には、ふつう近況報告などを書きこんだりしますよね? 『Gyahun(ぎゃふん)』も、「最近はこんなことを考えています」「これからはこんなことをしていきます」といったことをお知らせする役割を果たしていました。
年賀状を送り付けてお金をとる人はいませんね。
だから、『Gyahun(ぎゃふん)』も無料なのです。
コンテンツの実験場。だから無料
こんなふうに考えてみてください。
こだわりのパンを地域の住民に提供している個人商店。あるとき試作品のパンをつくったとしましょう。お客さんはこれを食べてどう感じるだろう? 喜んでもらえるだろうか? そんなふうに思いながら、試作品を召し上がっていただくとします。
もちろん、味に自信はあるけれど、あくまで試作品。だから、お金はいただかない。
『Gyahun(ぎゃふん)』は、Gyahun工房がさまざまなコンテンツの可能性を探る場でもあります。だから、パン屋さんとおなじように、無料でご覧いただいているのです。
お金儲けからの解放。だから無料
お金儲けがいけない、と思っているわけではありません。一方で、お金はあくまでなにかの〈目的〉を実現するための〈手段〉であるべきだとも考えます。
『Gyahun(ぎゃふん)』は、つくることそのものが〈目的〉。リリースした時点で目的は達成されているのです。
また、『Gyahun(ぎゃふん)』では、〈お金〉そのものの意義やありかたを考察することもあります。その際、みずからが〈お金〉を得ていると、客観性が損なわれるかもしれない。
そんなふうに考えているから、無料なのです。
無料だからといって、もちろん価値が低いわけではありません。
自分の好きなようにつくっているけれど、趣味や嗜好がぴったり合い、おなじように気に入っていただける読者さんもきっといるはず。
そう信じて、これからも『Gyahun(ぎゃふん)』をつくりつづけていきます。